ヘルシースマイルは、皆様のお役に立つお口の情報コーナーです。

口から始める健康づくり

1.はじめに

 日本の2006年(平成18年)の推計人口による老年人口(65歳以上)は、約2600万人で総人口に占める割合が20.8%であり、現在は高齢社会です。この割合が21%以上締めると超高齢社会といわれ、2025年には65歳以上が約3500万人に達するとみられており、まさに超高齢社会に突入していきます。このような高齢者人口の増加が推測されることに伴い、「健康な85歳をめざす」ことを目標としているのが介護予防です。介護予防の考え方は、廃用症候群に対する取り組みであり、生活機能の低下が軽度である早い時期にリハビリテーションを行なうことで、日常の活動性を向上させることを目標にしています。

口腔機能は、他の機能と比較して加齢の影響を受けにくいとされています。しかし、ひとたびその機能が低下すると、低栄養を招き、そして高齢者の生活の質(QOL)を著しく低下させます。

 さらに口腔は、温度・湿度・栄養というあらゆる点において、微生物が繁殖しやすい条件がそろっており、その微生物が呼吸期感染症をはじめ、全身の発症と密接に関連しています。それゆえ、口腔ケア(口腔機能向上)は、生活の質を維持するためではなく、種々の疾患を予防するとともに、介護の重症化を予防するために必要不可欠になります。ある研究結果では口腔ケア(口腔機能向上)によって肺炎の発病を40%減少させ、さらに口腔ケアによってその死亡率を50%させることが示されています。

口腔の介護予防とは?

「いつまでも、安全に美味しく楽しくたべることができること」です。

 この目標を達成するために口腔機能の向上に励みましょう。首から上(顔)も衰えます。身体の健康のために運動をするように、お口の運動のために体操をしましょう。体操には、舌運動・顔面体操・唾液腺マッサージ・ゴックン体操・唇の運動・発声練習・首の運動・肩の運動などがあります。自分に合った日常生活の中で苦なく、継続して取り組めるものを選んで行なってください。