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意外と知らない口腔ガン

 

 舌、歯肉、頬に口内炎のようなものが出来たり、腫れたりした経験が多くの方にあると思います。普通は一週間前後で症状が自然に治癒します。しかし、二週間以上たっても症状が改善されない場合は「口腔ガン」の可能性も高いため、注意が必要です。

 

「歯肉が盛り上がって膨らんでいる」、「潰瘍を(かいよう)作っている」、「白色や、赤く発赤している。」など、それらのすべての症状がガンとは言えません。しかし、ガンの初期症状の場合もあります。口腔ガンは、ガン全体の3~5%にすぎませんが、生命にかかわる病気であることは他のガンと違いはありません。最悪の事態は避けられたとしても「食べる」「飲む」「話す」「呼吸する」などの健康であればごく当たり前の営みができなくなることも考えられます。その場合、「生活の質」が著しく低下してしますことになります。

 

 口腔ガンは直接肉眼的に診断が可能であるという点で内臓のガンとは異なり早期発見が可能です。口腔ガンで一番多いのは舌ガンです。そのほとんどは舌側縁に発生します。その他、歯肉ガン・口腔底ガン・頬粘膜ガンなどの順でみられます。年齢では50歳以上に多く、女性よりも男性に多い傾向があります。歯や歯周病のために歯科医院を受診した時に発見されることが多くあります。ご自身でも鏡などを用いてチェックすることもできます。

 

 

 歯科医院や口腔外科での口腔癌検診は視診、触診の他に細胞疹と組織疹があります。

 

 細胞疹(擦過疹)は病変の一部を歯ブラシや綿棒でこすって細胞を採取するため、痛みがほとんどなく、負担を少なく行うことができます。組織疹は細胞疹で陽性もしくは偽陽性のレベルⅡ、Ⅲの判定が出た時に行われることが多く、組織の一部を切り取って行います。

 

 ひと月に一度のセルフチェックと定期的な歯科医院での虫歯と歯周病、かみ合わせのチェックなどの検診と共に口腔癌検診もお勧めいたします。